世界に挑む人 #5羽根田卓也カヌー選手

世界への道は、
自らの行動で切り開く。

羽根田卓也羽根田卓也

世界への道は、
自らの行動で切り開く。

日本国内最強と呼ばれ、リオで銅メダルを手にしたカヌー競技の第一人者。
常に勝つための決断をしてきた羽根田選手は、自らの道を切り開き世界へと挑んでゆく。

01.恐怖心は、やがて
勝つ楽しさに変わった。

父が元カヌー選手で、カヌーは身近にある環境でしたね。初めは体操競技をやっていて、違うスポーツをしたいなと思った時に、じゃあカヌーだよねと自然に乗り始めました。日常生活で水の上に浮かぶということはないですし最初は恐怖心もありましたが、そのスリリングさにすぐ夢中になりました。波を切っていく爽快感も好きです。試合に出て勝ち始めたのは中学生の頃。正直それまではカヌーのことがあんま好きじゃなかったんですよ。冬のカヌーとか、つらい練習とかが小さいころは嫌いで、どうやってやめてやろうかなっていつも考えていました。でもだんだん大人の中に交じっても、いい成績が出るようになってきたりもして、勝つ楽しさを覚えたのも中学生の頃です。

02.舞台を海外へ。
勝ち続けるために。

だんだん表彰台に上がる回数も増えて、自然と目は世界に向いていきました。世界大会にも出始めて、自分の戦う場所はここかなと意識しました。世界で戦っていくことの怖さは全然なかったです。逆にカヌー競技の環境があまり良くない日本にいて「勝ち続けることができるのか。」という怖さの方があったので、高校卒業と同時にカヌーの強豪国であるスロバキアに行ってカヌーと向き合うことを決めたんです。自分が練習環境の差を覆すほどの才能の持ち主だとも思っていなかったし、同じ才能を持った選手が一流の環境で、一流のコーチに付いている中、僕が日本の環境のまま一人で技術を磨いても勝てないと思ったんです。

03.水の流れを、
体全体でつかみ取る。

カヌーは複雑で多様な動きをこなす体幹の強さが重要。でも体幹とか、体の使い方っていうのは、意識してできるものではなくて、僕はカヌー以外のスポーツで体に覚えさせるんです。冬はクロスカントリースキーで持久力を補ったり、他にはサッカーやバスケをやったり、いろんな競技をやって体の動かし方をなじませていく。カヌーの上では感覚で動けるようしなければいけないし、水のフィーリングだけを意識するんです。とにかく水の流れが一番の肝。いかに自分の力を使わずに水の流れをつかんでカヌーを進めるかに尽きるんですが、水の流れを実際につかんだときの水の感触っていうのはすごく重たくて、粘りがあるんですよね。体でそれを感じた瞬間が一番楽しいんですよ。その感覚を追い求めれば結果、勝つことにもつながる。

04.自分の存在証明は、
勝つことしかない。

正直、「モチベーションが下がる。」という言葉に一度もピンときたがことなくて。打ち込めること、目標に迷いなく進めることが自分の強みの1つだと思います。試合に臨む気持ちの作り方も人によってあると思いますが、僕の場合は「リラックス」すると調子が出ないし、「いつもどおり」だと気合が入らないんです。規模の大きな大会で緊張しているぐらいの方がいい精神状態。その時は怒りをぶつけるような、「やってやろう」という気持ちですね。一番間近の大会でいえば世界選手権。どんな大会と比べてもハイレベルな戦いで、7位に入れたのは1つの収穫ですけれど、どんな試合であれ表彰台に上がらないことがどれだけ価値のないものかというのをあらためて認識しました。本当に小さい頃からカヌーしかやっていなくて、今回もまたカヌーでしか自分の価値を証明できないと感じたんです。だから「やってやろう」という意識で挑むのかもしれません。

05.成績を出すために生きている。
過程は一切関係ない。

本当に僕たちのようなアスリートっていうのは表彰台しか求められてないんですよ、結局。自分の頑張りとかそういう感情は一切周りの人には関係ない。成績を評価されて、様々なサポートを頂いているわけですし、メダルを取ってから、成績主義ということをさらに強く感じます。もっとシビアに、自分は成績を出すために生きているんだという気持ちを持っておかなきゃいけないなと、あらためて思いましたね。
例えば0.0001秒の差で4位になって、表彰台に届かなかったとしても、それはなんの言い訳もできない。そういう成績で終わっちゃいますから、そういう成績がずっと未来に残りますから、それは絶対許されないことだと思っています。

06.これからの道は、
僕の行動で切り開く。

目標をかなえるのは、実行することだけ。僕が高校卒業と同時にスロバキアに行くことの決断であったり、そこでトレーニングしている一つ一つも、あれこれ考えるより行動を起こさないと何も始まらない。後輩に「どうしたらいいですか?」「どこを直せばいいですか」とよく聞かれるんですが、本当に強くなりたいと思っていたら、強い人の行動や姿勢を見ているはずですし、まずはそれを自分なりに行動することが大切だと思います。今の僕の一番の仕事、やらなきゃいけない事はやっぱり成績を出すことしかない。それのみに集中していれば僕自身はいいと思っています。その姿を見せる事が、きっと後続の選手の道になると思うんです。

羽根田卓也

Profile

羽根田卓也 Takuya Haneda

1987年7月17日、愛知県豊田市出身。
種目 スラローム
2012年ロンドンオリンピック7位入賞 (日本人初)
2014年世界選手権5位、アジア大会 金メダル
2016年ワールドカップ3位、リオオリンピック 銅メダル
2017年世界選手権フランス大会 7位入賞
(※2017年11月22日時点)
ミキハウス所属。

羽根田選手コメント

僕は海外遠征が多いのでアストロンはすごく重宝しています。
現地と日本の時刻がすぐにわかるのも便利です。

着用モデル|Astron Executive Line SBXB155