

2010/03

セイコーウオッチ株式会社(社長: 服部 真二、本社:東京都港区)は、世界に先駆けて約8万個のドット(画素)による300dpiの高精細表示、4段階の階調表現が可能な「アクティブマトリクス方式」によるEPD(※注1)デジタルウオッチを製品化いたしました。
「アクティブマトリクス方式」とは、格子上に並んだドットに、縦横双方から電圧をかけて対象となる個別のドットのオンオフを確実に制御する表示方式で、最近では、電子ブックリーダーなどに採用されています。コントラストが高く、低パワーで制御が可能な電子インクを表示体に用い、独自の省電力技術を駆使することで、電子ブックリーダーの約100分の1の電力で表示を制御し、腕時計への搭載が可能になりました。
また、300dpiという、従来の一般的なデジタルウオッチに比べ約3倍の高精細化を達成し、さらに4段階の階調表現と180度の広い視野角が得られることで、多彩なグラフィック表現が可能な、見やすく美しいデジタルウオッチが実現しました。
今回発表の製品は、セイコーウオッチのブランドビジョン「革新と洗練」の具現化の一環として、2010年後半に国内外の市場に向けて発売を予定しています。
(*注)Electrophoretic Display(=電気泳動ディスプレイ)の略。電子インク技術を応用した液晶表示。
参考資料をご参照ください。
セイコーは、リストウオッチの未来像を描く中で、従来のLCDを越える次世代の表示技術として電子インク技術にいち早く着目しました。2006年には、セイコーエプソン(株)の技術開発により、電子インクディスプレイのひとつである「電気泳動ディスプレイ」を応用したセグメント方式EPDウオッチ「スペクトラム」を発売し、大きな反響を呼びました。
さらに、より自由な、新しい情報表現を求め取り組んだのが、アクティブマトリクス方式によるEPDウオッチです。開発で目指したものは、「時を読みとる」のではなく、視覚的に「時を感じとる」ことのできる表現力です。最大の特徴は、従来のEPDウオッチがあらかじめレイアウトされた70~120本のセグメントのオンオフによって固定された表示しかできなかったのに対し、アクティブマトリクスEPDウオッチは約8万個のドットを制御することにより、豊かで美しい書体や4階調の奥行きのあるグラフィック表現を実現し、ウオッチとしての情報表現の可能性を飛躍的に進化させました。
セイコーは、1982年世界初の「テレビウオッチ」を発売しました。映像が切り替わる際、部分的に情報を維持しながら書き換えを行う独自の方式で、一時的に大きな電力が流れることを抑え、低パワーで制御可能な1.2インチという極小サイズのディスプレイが実現しました。当時この画期的な省エネルギー技術は高い評価を獲得しました。
アクティブマトリクスEPDウオッチの開発にあたり、セイコーは微細加工技術による新しいTFT(薄膜トランジスタ)にこの省エネルギーの思想を継承しました。さらに、電子インク駆動のノウハウ、ウオッチで培った省エネルギー設計思想を反映し、セイコーエプソンで独自に開発した半導体を搭載することで、アクティブマトリクス式EPDを採用した一般的な電子ブックリーダーと比べ、約100分の1の電力で駆動させることを実現しました。
1.高精細化による綺麗で豊かな表現の実現


2.省電力化による腕時計サイズの実現
腕時計への搭載を実現した、同等サイズの電子ブックリーダーなどとの比較で100分の1という省電力化は、セイコーエプソンによる次の3つの技術革新が大きく寄与しています。
3.パネルディスプレイ部の広さ、デザイン性と装着性の両立
なお、当アクティブマトリクスEPDウオッチの電子インクは、E Ink®社製のVizplex™イメージングフィルムを使用しています。
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EPD(Electrophoretic Display)技術解説 EPDとは電気泳動の略で、電子インクによる表示方式のひとつです。
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