どこにも垂直・水平線を持たないことで方向性を意識させない繊細なアラビア数字は、円弧状にレイアウトすることを前提に1700年代に時計用に開発された。かつては職人が筆で描いた流れるようなラインをもつ書体は、女性向けの時計にもよく使われてきた。

この文字のこまやかさを最大限にひきだすため版を補正した。
細い部分は、限界の1/100ミリ単位でけずり、キレのある線に。太い部分には、徐々に版下を細らせながら肉盛り印刷を何度もかさね、自然な立体感をもたせた。細さと太さのメリハリを追い求めることが、非常に時計らしいこの書体をより魅力的にみせている。