昔から多く使われているダイヤル形状に「樽型(洋酒の樽を横から見た形)」がある。その四隅の角を少し落としガラスもこれに合わせることで、時計全体を程よく優しい印象にまとめた。同様に12カ所の略字も樽に添わせてひとつひとつを平行四辺形にし、伸びやかさが出るよう縦方向の略字を長くしたため、細かく見ると5種類の外形状を数えることができる。分目盛りの自然な角の回り込みも「程よさ」のための気配りのひとつ。略字と針に施したダイヤカットは、時計に光を与え、見易さにつなぐための大事な手法である。
 
 意図的に幅を持たせたガラス両サイドのカットは、全てのガラスパーツに施される「欠け防止」用の必要最小限のカットとは違い、ダイヤルをより明るく見せる効果とバンドへの視覚的な流れを生み出す。
 
 装着性の良さや、ムーヴメント開発に高い技術が必要であるという背景から「薄さ」は腕時計にとって重要な価値のひとつ。ケース、バンド共に薄くまとめ、また触り心地の良いように裏蓋形状も面を取り、ケースと一体にした。