グランドセイコーのデザイン

グランドセイコーであり続けるということ

1960年12月。グランドセイコーは、世界最高級の腕時計を作り出す決意から誕生しました。
日本を代表する腕時計の名にふさわしい高精度を実現するため独自の精度規格をつくり、持てる技術を磨きぬき、グランドセイコーは常に時代の常識を超える高精度を達成してきました。

しかし、グランドセイコーが目指してきたのは、高精度だけではありません。
グランドセイコーは、「正確さ」「美しさ」「見やすさ」そして「長く愛用でき」「使いやすいこと」を腕時計の本質と捉え、それらすべてを追求し続けてきました。特にグランドセイコーの個性として挙げられるのが、その外装のデザインです。

グランドセイコーが目指した、時代に流されることのない、燦然と輝くウオッチ。
その美しいデザインは、”セイコースタイル”というデザイン理念をもとに作られています。

“セイコースタイル”が生まれることとなった、1967年に発表したモデル「44GS」を紐解くことで、日本ならではの意匠をもつグランドセイコーの魅力を知ることができます。

1967年(昭和42年)
“セイコースタイル”を確立したモデル「44GS」発売

初代グランドセイコー誕生から7年が経過した1967年、「44GS」が誕生しました。
「44GS」は当時、最高精度に挑戦した歴史あるモデルですが、後のグランドセイコーに大きな功績を残したのは、
そのデザインです。

グランドセイコーのデザインを確立した「44GS」
9つのデザイン要素

多くの人の心を動かす「燦然と輝くウオッチ」を目指した「44GS」は、次のようなデザイン方針を規定してデザインされました。

  1. 1)平面を主体として、平面と二次曲面からなるデザイン。三次曲面は原則として採り入れない。
  2. 2)ケース・ダイヤル・針のすべてにわたって極力平面部の面積を多くする。
  3. 3)各面は原則として鏡面とし、その鏡面からは極力歪みをなくす。

この方針をもとに「44GS」で実現させたのが下記の9つのデザイン要素です。

1:他のインデックスの2倍の幅を持つ12時インデックス

2倍体の12時インデックスにより、12時-6時の縦のラインを強調することで、時刻を読み取りやすくしています。

2:多面カットのインデックス

多面カットになっているインデックスが美しくきらめくとともに正確な時を知らせています。

3:鏡面研磨されたガラス縁上面

歪みがなく平滑な鏡面は、ザラツ研磨によって平面の歪みをなくし、平面と斜面のつなぎ目のエッジをしっかりと際立たせています。

4:鏡面研磨されたケース平面

鏡面の平面が多い立体にすることで、硬く鋭い印象を作り出し、燦然と輝くケースを実現しています。

5:半ば胴に埋めたりゅうず

半ば胴に埋まるポジションに収まったりゅうずは、手首が細くても太くても心地よい装着感を得ることができます。

6:フラットダイヤル

フラットダイヤルは、インデックスと針、それぞれを際立たせるために徹底的に検証されたデザインです。

7:多面カットの太い時分針

時分針を多面カットにすることによって、針が美しくきらめくとともに高い視認性を確保しています。

8:接線サイドライン

接線サイドラインが大きな曲線を描くことで、 造形の鋭い印象を和らげています。

9:逆斜面形状のベゼル側面とケース側面

逆斜面形状のベゼル側面とケース側面は、美しい影をつくり、表現ある輝きを演出します。また薄さを感じさせる形状にもなっています。

時代に流されることのないデザイン。
時計の本質を追求する“セイコースタイル”

「44GS」で確立した”セイコースタイル”をもとに作られるグランドセイコーは、日本の美を紡ぎ出したデザインとも言えます。

私たち日本人は「光」に心を配り、光と影の間に無数のグラデーションを感じ取ります。影を光と同じように愛し、光との調和によってどのような表情が現われるかを大切にしています。

そのような抒情感を持ち合わせた日本人が、光と影が最も美しく現れるフィールドとして古来より取り入れてきたのが、歪みや捻じれのない平面です。

和の様式である「屏風」や「障子」などは、直線と平面を主体に構成されていながら、光と影が織り成す無数の表情を生み出す構造になっています。

グランドセイコーが、時代に流されることなく、燦然と輝く理由は、平面と鏡面を強調した「44GS」を原型に、現在まで続く”セイコースタイル”をもとにデザインしているからです。

「正確さ」「美しさ」「見やすさ」そして「長く愛用でき」「使いやすいこと」を追求するグランドセイコーのデザイン。それは日本独自の美意識を源流とした”セイコースタイル”によってつくられています。