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キネティック オートリレーには発電用・秒針駆動用・時分針駆動用の3つのコイル(モーター)と回転錘があります。カレンダー駆動用にさらにコイル式のモーター(電磁モーター)を追加することは、腕時計としての限られたスペース内では非常に困難でした。そこで、セイコーエプソンのインクジェットプリンターのヘッド等に使われている薄型高出力の「圧電素子(ピエゾ)」を利用した薄型超音波モーターを開発し、カレンダー駆動用モーターとして文字板下に収納することで、コンパクトなムーブメントが誕生しました。この超音波モーターは、薄型ながらも一般的な電磁モーターの100倍以上の高いトルクを持っており、クオーツ式では世界でも類を見ない大きな日付表示(ビッグカレンダー)が実現しました。

キネティック オートリレーは腕の動きで発電した電力を二次電池に蓄えて時計を駆動するシステムです。フル充電の時も、充電量が少ない時もあるので二次電池から取り出せる電圧は一定ではありません。このような条件下で時計はもちろんのこと繊細な超音波モーターを安定して正確に動かすために、数多くのSEIKO独自のテクノロジーが詰め込まれています。

カレンダーの動力である超音波モーターには最先端の技術が生かされています。大の月、小の月、うるう年などのある不規則な暦どおりにカレンダーを表示する輪列(歯車の組み合わせ)にはメカ式複雑多機能時計と同じような構造を採用しており、カレンダーだけで90以上もの部品が使われています。さらに「ゼネバ機構」を3層の制御用歯車などに用いるなど、マイクロメカトロニクスのノウハウが惜しみなく投入されています。

※ゼネバ機構:連続駆動を間欠駆動に変換する機構のこと。歯車同士の組み合わせで実現させるため、歯車の加工に非常に高い精度が要求されます。

大の月、小の月、うるう年などを検出し、そのとおりにカレンダーを動かすように指令している、カレンダー駆動ICのいわば「目」となっているのが「フォトセンサー」や、歯車の動きを電気的接触で検出する「電気接点」です。フォトセンサーは、セイコー電波時計における「針位置自動修正機能」や、セイコーエプソンのプリンターにおける紙送り位置の検出においても「目」として使用されています。カレンダーの輪列周りには4個のフォトセンサーと、4箇所の電気接点が用いられており、これにより正確な日・月・年を表示する仕組みです。

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